ベンガル料理のレシピを見ると、材料の欄に「マスタードオイル」の文字がたくさん見られます。
それでマスタードオイルを買おうとするのですが、「もし口にあわなかったら残った分をどう使おう」と不安になりませんか。
大丈夫。紹介するこのレシピがあれば、マスタードオイルが余ることはありません。
簡単でおいしく、調理はほぼレンジ任せで、その間に他のことができます。
マスタードオイルについての説明や、使う時の注意点も紹介します。
健康によいのか悪いのか、また代用品にはなにがよいかも説明しますよ。
マスタードオイルとは
ますはマスタードオイルについて説明します。
マスタードオイルとは、マスタードシードから作られるオイルです。
北インド、東インド、ネパール、バングラデシュ、パキスタンなどで料理やマッサージに使われています。
マスタード(=カラシ)の種を絞るのか、精油からなのか、作り方に種類があるようですが、肝心なのはマスタードシード(カラシの種)からつくられることです。
アリルイソチオシアネートがふくまれて・・・・・・つまりは辛いのです。
熱をくわえるとまろやかになるのですが、とにかく辛いので、扱いには注意が必要です。
マスタードオイルの注意点
マスタードオイルの注意点について説明します。
マスタードオイルの辛み成分は、空気に立ちのぼります。
ですので、たとえば瓶のふたを開ける時、目や鼻をふたの上にもってきてはいけません。
加熱調理のときの蒸気にも注意が必要です。
目や鼻に辛み成分が入ると、かなりの涙や鼻水が出ます。
そして、辛み成分が空気に立ちのぼるとは、つまり揮発することを意味します。
辛み成分が抜けてしまっては、マスタードオイルの価値がありません。
また、ふたがゆるんでいるとこぼれやすく、こぼれたオイルから部屋中に辛み成分が飛んでいくことになります。
台所に入ったとたん、目がしぱしぱするのは避けたいことです。
そうならないためにも、マスタードオイルの蓋はきっちり閉める必要があります。
マスタードオイルを使ったレシピ
マスタードオイルを使ったレシピの紹介です。
おそろしいほど簡単でおいしい1品のレシピです。
調理はほとんどレンジ任せなので、その間に他のものを作れます。
サツマイモはおかずにならないという意見もありますが、その理由は甘みがあるからでしょうか。
けれども、マスタードオイルをつかえば、それが「ほどよい甘み」にかわります。
腹持ちもよく、便通にもよいおすすめの一品です。
材料
サツマイモ 1本
ターメリック 小さじ1
水 50cc
黒ごま お好みで少々
マスタードオイル 2まわし
- レンジにつかえるボウルに、ターメリックと水をいれて溶く
- サツマイモを5ミリの輪切りにする
- ボウルにサツマイモをいれ、ターメリックとまぜる
- マスタードオイルを1まわししてまぜる
- ゆるくふたをして600wのレンジで2分
- かきまぜる
※このとき蒸気に注意!
- またゆるくふたをして600wのレンジで2分
※サツマイモがやわらかくなるまでレンジをくりかえす
- サツマイモがやわらかくなったら、マスタードオイルを1まわしする
- お好みで黒ごまをふって、できあがり
サツマイモの水分がぬけてパサパサにならないために、最初に水を加えました。
黒ごまはなくてもよいですが、あったほうが見栄えも風味もよく、やはりおいしくなります。
マスタードオイルの代用
マスタードオイルの代用品はなにがよいかを説明します。
結論からいうと、ないならないで仕方がないとあきらめるしかないでしょう。
ピリッとした風味が必要な料理ならば、マスタードオイルには代わりがありません。
風味がなくてもよいものならば、サラダオイル、オリーブオイルなど、今あるもので代用するのがよい方法です。
材料が似ているというならば、菜種油でしょうか。同じアブラナ科の植物の種という点で、共通しています。
マスタードを使えばよいのではないかと思いついて、手近な油にマスタードパウダーを溶いてみました。いわば「マスタードとオイル」です。
そして、上にあるサツマイモの一品を作ってみました。
結果、風味がなくて味気ないものになり「まずくはないが、おいしくもない」ものになりました。
手近な唐辛子を足して食べましたが、家族にも不評で「2度と作らないでほしい」と言われました。
私も「マスタードとオイル」は2度は作りたくないなと思います。
風味がほしければ、マスタードオイルを買いましょう。
風味が無くてもよければ、今ある油で代用しましょう。
マスタードオイルは健康にいいのか悪いのか
マスタードオイルが健康にいいのか悪いのかを説明します。
結論からいうと、わかりません。
調べても調べても、良い・悪い両極の意見が出てくるのです。
α-リノレン酸とエルカ酸両方を高濃度で含むのが、健康にいい悪いがわかれる理由のようです。
まず、エルカ酸が心臓に悪いと、動物実験による結果がでました。
けれどもヒトでの悪影響の報告はありません。
また、α-リノレン酸によるよい効果が、悪い影響を打ち消すという意見もあります。
いっぽう、α-リノレン酸にはよい影響がほとんどないという意見もあります。
アメリカでは、エルカ酸がふくまれるため、食用での輸入販売が禁止されています。
マッサージ用に流通はしているそうですが、ではマッサージに使うならば体によいのかというと、これもまたわかりません。
皮膚に損傷をあたえるという研究結果もあり、健康によいという研究結果もあります。
ネパールやインドのように、赤ちゃんにマスタードオイルでマッサージをするところもありました。
先日読んだインドの小説には、マスタードオイルでのマッサージが肌のためになっているという描写があります。
それから、辛子油の瓶を持ってきて、ガネーシャの頭に塗った。「これは絶対効くってママが言ってたわ。ママは六十代だけど、まるで赤ちゃんみたいなお肌でしょ」
『チョプラ警部の思いがけない相続』(219ページ) ヴァシーム・カーン著 船山むつみ訳 ハーパーBOOKSより
私はマッサージをしたことがありません。けれども、なんとなくですが、風邪にはいいのではないかなという気がします。
マスタードオイルは、私の結論でいうと、おいしければいいんじゃないかな、直接飲まなければいいんじゃないかなと思っています。
(オマケ)マスタードオイルの利用
マスタードオイルがなにに利用されているかを調べました。
これだけ刺激的なので、マスタードオイルはなにかに利用されているに違いないと思ったのです。
- マスタードガス
- 催涙ガス(催涙剤)
- 熊よけスプレー
- 痴漢撃退スプレー
ところが、上のどれにも使われていませんでした!
まずはマスタードガスですが、臭いがマスタードに似ているからそうつけられたと言われています。
色が似ているからという説もありますが、なににせよ、原材料にマスタードオイルを使っているからではありませんでした。
そして、催涙ガス(催涙剤)にも使われていません。
では熊よけスプレーにはどうでしょうか?
熊よけスプレーに使われているのは、唐辛子由来のカプサイシンでした。
痴漢撃退スプレーも同様にカプサイシンが使われています。
あれだけ涙や鼻水が出る刺激臭なのですから、なにか攻撃するものに利用されていると思ったのですが、使われていませんでした。
合成マスタードオイルですが、これらには利用されているそうです。
- 土壌改良材
- 殺虫剤・殺菌剤・殺線虫剤
- 防虫剤・ヒアリ忌避剤
- 聴力障害者用の火災報知器
土壌改良になるならば、うちの小さな家庭菜園に使ってみようかなという気になりました。
いや、料理用を使うのは、もったいないかな?
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